過去の記事では、
『ジョン・レノンを殺した狂気の調律 A=440Hz』
について何度か取り上げています。
440ヘルツだけでなく、
「平均律は悪魔の調律だ‼」
「平均律は世界を滅ぼす周波数だ‼」
とおっしゃる人もいらっしゃいます。
残念ですが、
そのようにおっしゃる方は、感情論にしか過ぎないのです。
そのような方に限って、
音楽理論が全く出来ていない人が殆どです。
「528ヘルツ(Hz)の本当の真実」でもお話しましたが、
A=440Hzを純正律で調律すると、528Hzが出来てしまうのです。
「A=440Hzの平均律は、悪魔の調律」
この発想は、プラセボ(プラシーボ)効果になる可能性があります。
注意しましょう。
440ヘルツについては前回もお話しましたので、
今回は、
「平均律が良くないのか否か」を中心にお話したいと思います。
確かに、
北村は純正律を好んでいます。
でも、和音が濁る反面、
様々な調(キー)へ転調できる平均律も好んでいます。
それでも、平均律が悪魔の調律と思っていらっしゃるならば、
是非、この記事を読んでくださいね。
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「A=440Hzを使用する人は闇の支配者である」と主張している人には気を付けてください‼
まず、
平均律の前に440ヘルツについてお話します。
よく、音を使用したヒーラーの人が、
「440ヘルツを使用する人は闇の支配者側である」
「440ヘルツは悪魔の周波数だ」
と主張する人が多いと思います。
ハッキリ言いましょう。
彼らは音楽知識が全くない人がほとんどです。
恐らく、
「A=440ヘルツは悪魔の周波数である」という発想は、
ルドルフ・シュタイナー氏(1861-1925)からの影響のようです。
後半にお話しする作曲家のドビュッシーとほぼ同じ時代を過ごしていたという事です。
当時の調律は平均律でしたので、
シュタイナー氏も平均律の時代を過ごしていた事になります。
確かに、
440ヘルツの臨床実験を実践している組織もありますので、完全否定できません。
また、
「A=440ヘルツを悪魔の周波数」と思っている人は、
音楽理論をキチンと勉強してから主張するべきです。
最低でも、
時代様式・音律・楽器の発達はキチンと理解をしなければなりません。
現在、
オーケストラなどでは「A=442ヘルツ」で調律されているケースもあります。
バロックピッチを理解していない人が、悪魔の周波数と主張されている人は論外です。
平均律を否定する人は、近代の作品やジャズを否定している様な物です
ここでいう近代は、
産業革命後の時代風景です。
平均律の発達は、産業革命のピアノの大量生産がキッカケと言われています。
近代の作曲家の代表として、下記の作曲家が有名です。
- C.ドビュッシー
- G.フォーレ
- M.ラヴェル
彼らの作品は、平均律ではないと演奏が出来ない作品になっています。
特に、
ラヴェルの作品は、ジャズのスタイル(Jazz)があります。
クロード・ドビュッシー(1862-1918)の魅力
近代の作曲家から、
ドビュッシーの作品について取り上げてみましょう。
理由として、
彼の音楽は、現代音楽の祖でもあるからです。
彼の作品は、ピアノ作品・声楽作品・オーケストラ作品があります。
ピアノ作品では、下記の作品を耳にした事があると思います。
- 「月の光」
- 「アラベスク」
- 「夢」
- 「亜麻色の髪の少女(前奏曲第一巻より)」
彼は、19世紀のロマン派音楽、特にドイツロマン派音楽の根強い伝統を決定的に打ち破り、新しい和声法を生み出した作曲家なのです。
だからといって、
ドビュッシーはロマン派の音楽を否定していた訳ではありません。
ピアノ作品「前奏曲第一巻・第二巻」は、
F.ショパンの練習曲(Op.10/Op.25)を意識して作曲された作品です。
それぞれ12曲から構成されています。
一方で、
「子供の領分」「エチュード」の一部には、
クレメンティやツェルニーの作品を皮肉った作品もありますが…。
ドビュッシーが用いた音階
ドビュッシーの作品には、下記の変わった音階があります。
- 「全音音階」
- 「五音音階」
それらの音階は、
ロマン派以前の時代では、ほぼ使用されていない音階です。
「全音音階」は、鉄腕アトムのイントロで有名です。
「五音音階」では、
彼がジャワ島でガムランに影響を受けた
「版画」の第1曲「塔」の作品で使用されています。
これらは、
平均律でないと奏でるのが困難な音階です。
今回は、
平均律の代表として、
C.ドビュッシーの作品を取り上げました。
好き嫌いはありますが、
ドビュッシーの作品はキレイな曲がたくさんあります。
なので、
平均律を否定している人にとってはもったいないと思います。
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