クラシック音楽を勉強される人は、
楽譜は必要不可欠な存在です。
でも、
楽器屋さんに行くと、
沢山の楽譜を目にすると思います。
「ベートーヴェンのピアノソナタを探しているのに、何故同じ曲が数冊あるの?」
と迷われる方もいらっしゃると思います。
今回は、
楽譜の選び方についてお話したいと思います。
あくまで、
北村の観点からですので、ご参考までにお願いしますね☆
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基本的な楽譜の選び方。
結論から申し上げますと、
音楽を専門的に学ぶ人は、
「原典版」をおススメします。
楽譜には、
「原典版」と「校訂版(批判版)」があります。
「原典版」は、
作曲者の自筆譜(その弟子が編集した譜)を基にして制作された楽譜です。
「校訂版」は、
原典版にアーティキュレーションや強弱を付け加えた楽譜です。
井口氏による春秋社版が代表的です。
原典版は、
[urtext]の表記がされています。
それで判断するのが分かりやすいでしょう。
ただし、
原典版でも版によっては、指使い番号が異なります。
原典版でも出版者が沢山ありますので、
実際に目を見て選ぶと良いでしょう。
井口基成氏による白い楽譜(春秋社版)は注意が必要です!
白い楽譜で有名な春秋社版は、
井口基成氏が校訂している作品がほとんどあります。
特に、
バッハの「インベンション」の楽譜で指定されている人も少なく有りません。
実は、
この楽譜は注意が必要です。
特に、バロック音楽・古典派の作品です。
例えば、
バッハ・スカルラッティの作品には、
強弱記号がほとんど有りません!!
さらにバッハの作品には、
ほとんど速度表記も有りません!!
井口氏の楽譜は、
バッハを弾きやすい様にする為に書いたと思われます。
また、
故意に音を変えている部分も少なく有りません。
もし、
指導者の人がバロック音楽でこの楽譜を使用する場合は、
「もともとは、強弱記号がついていなかった」旨をキチンと伝えなければなりません。
なので、
井口氏の楽譜はお助け教材として使用した方がいいと思います。
因みに、
『ハレルヤ』で有名な作曲者のG.H.ヘンデル。
彼の鍵盤作品の楽譜はベーレンライター版がメインです。
高価なので、
唯一、春秋社(井口)版があります。
曲が沢山入っているので、
参考にはなります…。
春秋社の楽譜でも、
近代の作品(フォーレ、サン・サーンス、スクリャービン、ラヴェル)の楽譜は、
別の人が校訂しているので大丈夫です。
楽譜の無料ダウンロードは危険があります。
現在は、
webで楽譜が無料でダウンロードが出来る便利な時代です。
確かに便利ですが、
音楽をしっかり学ぶ人にとって、
無料楽譜はオススメが出来ません。
一番の問題は、
出版社が分からない事です。
その為、
原典版か校訂版か分からないからです。
音楽を専門的に学ぶ人は、
基本的に楽譜を購入した方がいいと思います。
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