ピアノレッスンで使用される
『ブルグミュラーの練習曲』。
小さい頃に弾いた事がある人も少なくないでしょう。
好き嫌いはあるかもしれませんが、
ピアノのテクニックを上達したい人にとって、
『ブルグミュラー25の練習曲』は一番重要な教材になります。
今回は、
この練習曲の特徴・練習方法や楽譜の選び方等についてお話したいと思います。
【下記の方におススメの内容です】
・ブルグミュラー練習曲を、今現在習っている人
・ブルグミュラーが苦手・嫌いな人
・ピアノ表現を上達したい人
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『ブルグミュラー25の練習曲』の特徴
この25曲のエチュードの一番の特徴は、
子ども目線で作られた練習曲だという点です。
それは当時、
彼がピアノ教師として有名だった事や、
子どもが好きだった事から導き出された教材だからです。
25の練習曲全てに標題が付いています。
その為、
初めてのエチュードとしてはオススメの教材なのです。
ブルグミュラーは、
19世紀のロマン派時代で活躍していました。
当時流行していたショパンやリストに登場する「キャラクター・ピース」の作品を、
子どもでも楽しめる様に小曲で構成されているのも魅力的です。
【キャラクター・ピース(性格的小品)とは…】
・ロマン派及びその前後の時代に、
自由な発想によって作られたピアノの為の短い楽曲と言われています。
・ロマン派の音楽作品は、
「標題音楽」の発達がポイントです。
(バロック時代では、フランスで既に標題音楽が存在します)
・例えば作品として、
「バラード」「舟歌」「アラベスク」等があります。
ブルグミュラーの練習曲の種類
ブルグミュラーの練習曲には、
下記の3種類に分かれます。
・25の練習曲(Op.100)
・18の練習曲(Op.109)
・12の練習曲
「12の練習曲」では、
表題がついていない練習曲になります。
「18の練習曲」は「25の練習曲」よりもポピュラーではないですが、
さらに、高度なテクニックや表現力を鍛える事が出来ます。
「25の練習曲」をマスターしたら、
「18の練習曲」へと挑戦してみましょう。
【豆知識】ブルグミュラーについて
ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルグミューラーは、
1806年にドイツのレーゲンスブルクで生まれました。
1832年にパリに移住して、流行作家として活躍していました。
作家としては高い評価を受ける事が無かったようですが、
当時のピアノ教師として人気を得ていました。
ブルグミュラー『25の練習曲』の練習方法
次に、
ブルグミュラー「25の練習曲」の練習方法についてお話します。
ピアノを習っている人は、
指導者の指示に従う方がいいと思います。
中にはこの曲が苦手な人もいらっしゃいますので、
ポイントだけ紹介したいと思います。
テンポ(速さ)に注意
原版のテンポ指定で表記されている楽譜があります。
例えば、
1番「すなおな心」の場合は、
四分音符を1分間に152回鳴らす速さで表記されています。
当時、
現在よりも鍵盤が軽いピアノだったので、
そのテンポで弾くのは無理があります。
メトロノームが3桁で表記されている速度は、
原版のテンポよりも約30を引いた速度で演奏するのがいいでしょう。
弾く順番は、なるべく順番通りに練習しましょう
基本的に、
順番ごとに難易度が上がってくる構成になっています。
使用するピアノの音域も、
順番ごとに広がっていくのも特徴です。
初めて長い曲を引き始めるのは、
9番の「狩」からになります。
ただ、楽譜通りに弾くだけで終わらせない
エチュード(練習曲)といえば、
指を機械的に動かす為の曲をイメージされると思います。
でも、
『25の練習曲』を弾く為に心がけて欲しい事があります。
それは、
表現力を磨く事です!!
25曲のタイトルにはそれぞれ個性があります。
ただ指を動かすのではなく、
イメージを膨らませて、
自分自身で納得出来る表現をする作品を作り上げるのが大切です。
集中力(コンセントレーション)が大切
「25の練習曲」のほとんどの曲のディナーミクは、
ピアノ(P)から始まります。
静かな音から始める事によって、
作品を演奏する為の集中力を高める必要があります。
ひと呼吸おいてから演奏しましょう。
進度が「早い」「遅い」は関係ありません!!
よく、
習得進度が早い・遅いと悩まれている方がいらっしゃると思います。
でも、
それは関係がありません!!
レッスンで『25の練習曲』が終わったとしても、
表現を磨く為に、時々弾いてみるのもいいかもしれません(依存しすぎるのはいけませんが…)。
※それらは、ショパンエチュードを弾く為にも必要な事です。
ブルグミュラー『25の練習曲』楽譜の選び方。
ブルグミュラーの楽譜は、
様々な会社から出版されています。
原典版を選ぶのが一番いいのですが、
ちょっと値段が高めです。
丁寧な解説がある楽譜も多いので、
そちらを選ぶのがいいでしょう。
また、
『こどものブルグミュラー』等の楽譜はカットされている曲があります(どうしても苦手な人にはオススメかもしれませんが…)。
ただ、中にはいい加減な楽譜も存在します。
見分け方を説明したいと思います。
※もし、楽譜が手元にある場合は、下記を参照に修正しましょう。
標題をよく見ましょう
ブルグミュラーの標題はフランス語です。
日本語の解釈には賛否がありますが、
気をつけていただきたい標題は下記の2曲です。
①[14番]“La Styrienne”
タイトルを「スティリアの女」と表記している楽譜が有ります。
この曲は舞曲になります。
シュタイヤー地方の民族舞曲をイメージした方がいいかもしれません。
②[16番]“Douce plainte”
そこまで気にしなくてもいいですが、
「かわいいなげき」よりも「ちょっとした悲しみ」の方が分かり易いかもしれません。
③[23番]“Le retour”
この曲は謎です。
よく「かえりみち」や「帰路」などで表記されている楽譜があります。
中には、
ベートーヴェンのピアノソナタのある1曲を意識していると言う説があります。
その場合は、「再会」と言うタイトルが適しているかもしれません。
初版と違う音を使用している楽譜があります
21番「天使の合唱」では、
初版と違っている音を表記している楽譜があります。
30小節の3拍目にある二分音符のバスの音は、
E(ミ)の音が正しい音になります。
Es(ミ♭)の音の表記になっている楽譜は誤りです。
もし、
Esで表記されている楽譜を使用されている場合は、修正をしましょう。
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